森と里と海のつながりを紐解く

私たちは、最先端の統計やコンピュータシミュレーションの技術を駆使し、森里海の連環に迫ります。これまで人間は、森や里を変化させてきました。そこから流れ出る水や物質が、どのように海の豊かさに影響を与えているのか。農業や林業、そして都市部の人たちの暮らしは、海とどのようにつながっているのか。川の流れまでも変える人間の営みは、森里海の連環を分断していないか。このような疑問にもとづいて、多彩なデータを収集してまとめ上げ、普遍的な答えを導くことが目標です。
日本各地から選ばれた32河川を対象とし、陸域研究グループ・海洋研究グループから提供されるデータを統合します。ビッグデータ解析により、森里海のあいだに潜む相関関係や因果関係を一挙に調べあげ、32河川に見られる共通性と個別的な特徴について明らかにします。具体的には、森里海連環のしくみを明らかにする統計解析と、流域全体の物質循環を定量的に再現するシミュレーションを両輪として研究を推進します。陸域研究グループ、海洋研究グループと協働しながら、データベースの充実とモデリングの改善を相互に加速させることで、将来予測データに基づく森里海健全度診断手法を開発します。この手法を開発することで、人間活動が森里海連環の分断を招くしくみを検証し、どのようにその連環を修復できるのか科学的な提言を行うことができるようになります。これにより、社会連携へのスムーズな橋渡しが可能となります。

こんな研究をしています

私の研究の大きな柱のひとつは「流域生態系の管理」というテーマです。流域は河川や湖沼・沿岸域の生態系を保全・再生する上で自然な管理の空間単位です。しかしその中には多様な地域社会を含んでいます。琵琶湖流域の共同研究によって、流域からの多様な恩恵(生態系サービス)を介して維持されてきた流域と地域社会の相互作用のエッセンスを捉えようと試みています。さらに相互作用を数理モデルにより解析することで、流域生態系の存続や再生には、流域と地域社会の間にどのような関係があることが大切なのかを解明したいと考えています。

私たちのグループでは、最先端の統計解析やコンピュータシミュレーションの技術を駆使し、陸グループと海グループが集めた森・里・海のデータを統合し、分析します。具体的には、河口域の生産性や生物多様性に影響する生物的・物理的・社会的な要因を絞りこみ、それらの要因が実際どのようなメカニズムで河口域の環境を決めているのかをシミュレーションによって説明することを目指します。同時に、統計解析によって、相関関係や因果関係をひとつずつ紐解いていくことで、森里海連環の仕組みを明らかにするとともに、将来の状態の予測を行います

担当研究者
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